星と土となかまたち

尊い世界を眺めにゆく

Le Potager des Cerfs(鹿の菜園)より




星の坊主さまの畑では、さまざまなお野菜がすくすくと育っています。
こちらは葉物野菜の様子。小松菜やマスタードリーフ、ルッコラにからし菜など。
6月初旬から中旬にかけてお出しできるかなあ。

畝(うね)と畝の間に生えているのはエンバクという麦の一種。
これが星の坊主さまの草マルチに大いに役立つというわけです。
ぽんわかツアーなど、直接畑に来られる方々には詳しく説明ができそうですが、
何とお伝えすればいいでしょう。お野菜をつくるための味方というかなんというか。
畑に微生物を増やすための材料というか。とにかく、まあそんな感じです。笑

↓こちらはリーフレタスと白菜と春菊の畝。
コンパニオンプランツという方法で栽培しておりますが、ここはスギナが多く生えるエリアで、
まだまだ土づくりの必要がある畑です。でも、健やかに元気に育っておりますよ。

つづいては、ズッキーニ。
こちらはネギと一緒に植える、コンパニオンプランツです。
こうすることで病気になりにくくなって、健康なズッキーニが育ちます。たぶん。笑


そんなこんなで畑で仕事をしていると、すぐ裏の山手の方で、何やら気配がします。
ふと顔を上げると、、、

こちらは、友人ニックの畑。 Le Potager des Cerfs
フランス語で「鹿の菜園」という意味らしいです。


ニックはフランスでパーマカルチャーの勉強をし資格を持つスコットランド人。
日本語堪能でひらがなや漢字まで書けるバイリンガル。
今年の3月11日の星のおはなし会の昼の部で、少しだけニックの話をしました。
その際は、たしかこんな内容のお話をしたと思います。

「ぼくたちの生きるリズムは、本来とっても完璧なので、焦る必要なんてひとつもない。でも、ぼくの友人のニックは最近畑しごとのペースが上がらないことで焦っていて、焦らなくても大丈夫だよと伝えても焦っている友人なのですが、あまりに焦りすぎてこんなことがありました。ニックのトラックが山あいの農道から数メートルしたの畑に落ちかけてしまったんです」

当時の写真です(苦笑)

「ニックは自力で脱出を試みましたが一向に抜け出せず、ぼくにヘルプの電話をしました。このとき夕方の18時。1回目にもらった電話は出られず、2回目にもらった電話は夜の21時半。外はいつの間にか大雨。そのとき遊びに来ていた友人のおけんちゃま(野原デザイナー)を連れて救助に向かいました。ぼくたちが到着して、救出作業に取り掛かっても歯が立たず、ずぶ濡れになりながら、結局夜の23時半過ぎに作業を中断しました。結局翌朝JAFを呼んで、3分で救出できたのですが(笑)

このお話の教訓としては、時間がないと焦ったニックにとっては、翌朝まで救出に手間取った時間のロスや心身の疲れはおそらく大変なものだったと思いますが、ほんとうのところは、このペースでもニックの仕事は順調に事が運ぶよ。ということを内側のニック(潜在意識というか)自身が教えてくれた出来事だと思ったんです。だから、ぼくたちも焦らず、抗わず、流れに身を任せていけばいいんじゃないかなと思うんです」

このお話の主人公ニック。実はつい先日まで、別のとあるアクシデントで、また大幅な足止めがあったのですが、今は元気に畑へ出て野良仕事を楽しんでいます。
前置きが長くなりましたが、今回のお話は、そんなニックことニコラスのお話。


ぼくの畑の裏山は、もともと小さな田んぼが棚田のように点々としている場所だったのですが、集落の高齢化に伴って、少しずつ手がつけられなくなり、大規模な耕作放棄地が散在するエリアになってしまいました。
ぼくも豚さんを飼って開墾を試みたり、ひっきりなしに生えてくるカヤを草刈機で切ったりと、あの手この手を試みましたが、規模が広すぎて全く歯が立ちませんでした。

少しずつ手を入れて、ようやく少しずつ野原になって来ましたが、それでもまだまだ先は長いです。
このエリアは一年中流れる豊かな沢水があって、生き物が豊かに暮らす素晴らしい土地なので、
時間をかけてでも、なんとか美しい景観を取り戻したいと思っているのです。


そんなエリアを、昨秋から一気に、ていねいに開墾を進めているのが、先に登場したニックです。


その仕事っぷりは集落の人たちも一目を置いていて、自分たちが荒地にしてしまったエリアもニックだったら貸したいと思うようになったのです。

これって、とってもすごいことなんです。

本来、移住者に対して先祖代々の土地を貸す、ということは抵抗のある人が多いようで、貸し借りについては農業委員会を通さなきゃいけないとか、なんやらかんやらがあって、なかなかに面倒なことなのですが、ニックはその尊い仕事っぷりで、地域の信頼を見事に獲得し続けているのです。


そんなニックの畑に顔を出すことは、個人的にとても刺激的で、感化されることだらけなので、今日も5分〜10分の散歩がてらにと思い、遊びに行きました。

ニックの繊細さは、こういうところによく現れています。

これは畑の手書きレイアウト図。
拡大すると、、、

そして、汚れないように一枚一枚ていねいにファイリングされた栽培計画表(フランス語で読めないけれど)

ぼくは自分自身がこういう仕事ができない人間なので、とっても尊敬しています。
畑での仕事っぷりを見てもわかりますが、こういう資料のひとつひとつにかける情熱に、
ニックという人間の尊さをとってもとっても感じるのです。

最近アクシデント続きのニックでしたが、天然自然はやはりニックのことを愛と感謝いっぱいに受け入れているのでしょう。その仕事に対してのご褒美と思える出来事がありました。

それは、、、こちら!

ニックは蜂蜜が大好きで、なんとしても蜂蜜をとりたい!と思っていたようで、ぼくが持っていたニホンミツバチの巣箱を借りるなり、畑仕事よりも優先して巣箱を設置してみたところ、、、
ぼくの巣箱にはまだ全然来訪の気配がないのにも関わらず、ニックの巣箱にはニホンミツバチの群が入って、さっそく巣作りを始めているのです!ニックは飛び上がるほどに喜んでいました。


客観的に、傍目から見ていて思うのは、ニックという人間はほんとうに魅力的で素晴らしい人間で、彼という存在やそのすべての行為を地球という星、自然環境がとっても愛しているんだなあということです。

ぼくの身近には、幸いにもそんな尊い存在の人がたーくさんおりますが、最近のイチオシの一人は、このニック(地底人)です。

最後に、「ニックのこと撮らせてよ」とお願いして撮らせてもらったニック。

フォトジェニックですね。
「こんなの(自分のことを指差して)撮るの?」なんて言ってましたが、ぼくが出会った自慢の一人として、ニックのことを写真におさめたかったのです。

いつかニックが出てくる物語が書けたらいいなあと思いつつ、野菜セット用の連載物の執筆の息抜きとして、愛すべき男ニックこと、ニコラス・シコルスキを紹介させていただきました。

とっても長文になってしまいましたが、オススメの人物なので熱っぽく綴りました。
そんなニックのInstagramはこちら。みなさまどうぞよろしくお願いいたします。


今シーズンについては、星の坊主さまの野菜セットの中でも、ニックのお野菜を取り扱うかもしれません。フランスの在来固定種を使ったパーマカルチャーのお野菜。
見たこともない野菜やハーブが見られるかもしれません。乞うご期待、ですね◯